「味のぐるり」にでてくる酒
「酔心」を冷やでやりはじめる。そら豆の緑、ほしこの茶褐色が、目の前に。具合よくきいてきた。
ここのは多聞。ハマチの刺身、茶碗むし、天ぷら、こんなものを肴に、四人で何本飲んだことか。
だれかが、那須の一軒茶屋という店で仕入れてきた楽器正宗というのを出す。
ここの酒は賀茂鶴。店によって、さまざまな酒にめぐりあえるのが面白い。
「しぼりはここに来ている」といったら「それはおしぼり、これからやるのがしぼり」と。富の寿という酒。
菊正が段々きいてきた。
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きょうは「惣花」という銘の「日本盛」のひやを、岩田藤七さんの、金色のガラスのぐい呑みに注いで。
ここの酒は富翁、かつての同僚、それは越中の人だったが、いつもこの酒をたしなんでいた。
ビールで一通りうるおわした後、店の名にもなっている酒の「白雪」を、すし種でかなり飲んだ。
三陸の「酔仙」と、秋田料理の功徳というもの。
鮎の塩焼き。今宵の酒は月桂冠とか。(「味のぐるり」 入江相政) 苔に埋もれて 昭和51年発刊。灘から地方へ酒の趣向が移り始めている頃の話ですね